小林秀雄と人生を読む夕べ
この講座は、第一部、第二部の二部構成になっています。
前半の第一部は、「小林秀雄山脈五十五峰縦走」と題して、小林先生の作品を五十五作、講師池田雅延が選んで各回一作ずつ読んでいきます。小林先生六十年の作品系列を池田は飛騨山脈、奥羽山脈などの山並に見立てて「小林秀雄山脈」と呼んでいますが、そのなかでもひときわ高く、美しくそびえる五十五作を特に選んで「小林秀雄山脈五十五峰」と名づけ、≪私塾レコダ l'ecoda≫の熟読翫味作としました。
そして後半の第二部は、「小林秀雄 生き方の徴(しるし)」と題して、「考えるということ」「常識とは何か」「歴史とは何か」など、誰にとっても「いかに生きるべきか」の急所に関わる言葉を順次取り上げ、これらの言葉について小林先生はどう言われているかをお話しします。
「小林秀雄山脈五十五峰」「小林秀雄 生き方の徴」とも、より詳しくは「l’ecoda講話覚書 Ⅰ 開講にあたって」でご案内します。
令和7年11月の講座ご案内
●11月20日(木)19:00~21:00
小林秀雄と人生を読む夕べ
第一部 小林秀雄山脈五十五峰縦走
第二十九峰「ランボオⅢ」(続)(「小林秀雄全作品」15集所収)
昭和二十二年(一九四七)三月発表 四十四歳
「ランボオ」は一九世紀フランスの詩人です。小林先生がランボーの詩と出会ったのは、二十二歳の春でした。それから約二十年、詩集「地獄の季節」の翻訳が再刊されることとなり、それを契機として書いた「ランボオⅢ」で、ランボーとの出会いという「事件」をまざまざと思い出します。ランボーは十代半ばに詩を書き始め、二十歳前後にはもう筆を絶って世界を放浪、三十七歳で世を去りましたが、その詩魂、その生活力、その行動力、すべてに小林先生は共感し共鳴しました。
この、小林先生自身の青春の自画像とも言えるタッチで書かれたランボオ讃歌を、前回の10月16日には「小林秀雄全作品」(新潮社刊)第15集をテキストとしてp.133の5行目まで読みましたが、今回はp.133の7行目から最後までを読み上げます。
第二部 小林秀雄 生き方の徴(しるし)
「千里眼」という言葉
●[小林秀雄と人生を読む夕べ]これまでの講座へ