[小林秀雄と人生を読む夕べ]

 小林秀雄と人生を読む夕べ 

 この講座は、第一部、第二部の二部構成になっています。
 前半の第一部は、「小林秀雄山脈五十五峰縦走」と題して、小林先生の作品を五十五作、講師池田雅延が選んで各回一作ずつ読んでいきます。小林先生六十年の作品系列を池田は飛騨山脈、奥羽山脈などの山並に見立てて「小林秀雄山脈」と呼んでいますが、そのなかでもひときわ高く、美しくそびえる五十五作を特に選んで「小林秀雄山脈五十五峰」と名づけ、≪私塾レコダ l'ecoda≫の熟読翫味作としました。
 そして後半の第二部は、「小林秀雄 生き方の徴(しるし)」と題して、「考えるということ」「常識とは何か」「歴史とは何か」など、誰にとっても「いかに生きるべきか」の急所に関わる言葉を順次取り上げ、これらの言葉について小林先生はどう言われているかをお話しします。
「小林秀雄山脈五十五峰」「小林秀雄 生き方の徴」とも、より詳しくは「l’ecoda講話覚書 Ⅰ 開講にあたって」でご案内します。



令和7年12月の講座ご案内

●12月18日(木)19:00~21:00
 小林秀雄と人生を読む夕べ

   第一部 小林秀雄山脈五十五峰縦走
     第三十峰「骨董」(「小林秀雄全作品」16集所収) 
               昭和二三年(一九四八)九月発表 四六歳
 
 昭和十年代の半ばから終り頃まで、小林先生は陶磁器をはじめとする骨董こっとうに熱中していました。そのきっかけは、ある日、友人の青山二郎と東京日本橋の骨董店で雑談していたときでした、鉄砂で葱坊主を描いた李朝の壺がふと眼に入り、その壺に烈しく所有欲をそそられた先生は自分でもおかしいほどまで逆上、買ったばかりの高級時計と交換してもらって持ち帰ったのですが、この時ついた骨董の狐が先生の眼を七転八倒させて五年、六年、七年と先生を東へ西へ走らせました。いまやっと狐が落ち、人心地ついて、骨董のしたたかさをふりかえります。


   第二部 小林秀雄 生き方の徴(しるし)
     「いじる」という言葉



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