小林秀雄「本居宣長」を読む
「本居宣長」は小林先生が六十三歳から七十五歳までの十二年六か月をかけて書かれた畢生の大作です。江戸時代の古典学者本居宣長の学問は、「源氏物語」や「古事記」に「私たち日本人はこの人生をどう生きればよいのか」を尋ね、教わろうとした「道の学問」なのだと言われ、全五十章に思索の限りを尽くされました。
私たちの塾ではその五十章を一回に一章ずつひらき、それぞれの章に宣長の言葉はどういうふうに引かれているか、そして小林先生は、それらの言葉にどういうふうに向き合われているかを読み取っていきます。むろん毎回、「私たち日本人は、この人生をどう生きればよいか」をしっかり念頭においてです。
令和6年5月の講座ご案内
●5月9日(木)19:00~21:00
小林秀雄「本居宣長」を読む
★ご注意下さい:「小林秀雄『本居宣長』を読む」は、毎月第一木曜日に開いていますが、本年5月の第一木曜日2日は3日から始まる四連休の前日にあたりますのでお休みとし、第二木曜日の9日に振り替えます。
第三十六章 「人に聞かする所、もっとも歌の本義」
前回の第三十五章で、「歌はただ自分の思うことをありのままに言う、それが実の歌だ、人の聞くところにかかわるのは実の歌ではない」という多くの歌人たちの意見に対して、宣長は、そうではない、「人に聞かせる、そここそが歌本来の意義なのだ」と強く説いたということを学びましたが、今回の第三十六章ではその「人に聞かする所、もっとも歌の本義」という主題がさらに深められ、宣長はなぜこう言ったかが「言辞の道」としての歌と、「技芸の道」としての歌という宣長が立てた争点の両極から解きほどかれます。
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