新潮日本古典集成で読む 「萬葉」秀歌百首 この「『萬葉』秀歌百首」講座だけは小林先生の作品を直接読むのではなく、「萬葉集」研究の第一人者、筑波大学元教授の伊藤博先生が撰んで遺された「『萬葉』秀歌百首」を「新潮日本古典集成『萬葉集』」の註釈に照らして読んでいきます。講師池田雅延はその「新潮萬葉」の担当編集者として十五年間、伊藤先生をはじめとする註釈者五人の先生方を補佐しました。 小林先生は、「蘇我馬子の墓」(「小林秀雄全作品」第17集所収)の最後で、こう言われています。――大和三山が美しい。「万葉」の歌人等は、あの山の線や色合いや質量に従って、自分達の感覚や思想を調整したであろう。取り止めもない空想の危険を、僅かに抽象的論理によって支えている私達現代人にとって、それは大きな教訓に思われる。……
令和7年7月の講座ご案内
●7月24日(木)19:00~21:00
新潮日本古典集成で読む「萬葉」秀歌百首
今月の「秀歌」は次の二首です。
秋の田の 穂の上に霧らふ 朝霞
いつへの方に 我が恋やまむ
磐姫皇后[88]14
我が背子を 大和へ遣ると さ夜更けて
暁露に 我が立ち濡れし
大伯皇女[105]15・末尾の[ ]内は新潮日本古典集成『萬葉集』の歌頭に打たれている
『国歌大観』の歌番号、その次の数字は今回の秀歌百首の通し番号です。
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