森本ゆかり <感想> 「文化という言葉 教養という言葉」

●森本ゆかり
 令和四年(二〇二二)十二月十五日
 <小林秀雄と人生を読む夕べ>
 「文化という言葉 教養という言葉」

 人生に迷うということは、私に教養がないことが原因だと思ってきました。
 これまでろくに勉強をしてこなかった私には、小林秀雄さんの本は外国語のように難しく、なかなか読み進めることのできないまま、日常生活を送り、イライラしながら子育てをしている自分自身を情け無く思う気持ちがあり、こんなに教養のない自分を早く変えなければと焦っていました。
 しかし、昨年十二月十五日の第二部「小林秀雄 生き方のしるし」の講義で、

 教養とは、生活秩序に関する精錬された生きた智慧を言うのでしょう。これは、生活体
験に基いて得られるもので、書物もこの場合多少は参考になる、という次第のものだと思
う。教養とは、身について、その人の口のきき方だとか挙動だとかに、自ら現れる言い難
い性質が、その特徴であって、教養のあるところを見せようという様な筋のものではある
まい。

 という小林秀雄さんの「読書週間」(『小林秀雄全作品』第21集所収)にある言葉を池田塾頭に教えていただき、今まで無駄だと感じてきた、日々の生活の中に、私の身の丈に合った学びがあるのではないかと感じました。 

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