令和8年5月のご案内
令和8年5月の≪私塾レコダ l’ecoda≫三講座は、次のように開きます。
講師 池田 雅延
●5月14日(木)19:00~21:00
小林秀雄と人生を読む夕べ
第一部 小林秀雄山脈五十五峰縦走
第三十四峰「私の人生観」(「小林秀雄全作品」17集所収)
昭和二四年(一九四九)一〇月発表 四七歳
「私の人生観」は、元はと言えば講演録です、しかし、講演の速記がそのまま文章化されたというものではありません、講演で話されたことを基にして全面的に書き下ろされたと言ってよく、しかも、私の人生観はこうこう、こうですと、手際よく説明するのでもありません、「人生観」の「観」という言葉はどういう歴史をもっているかを仏教の「観法」について考えることから始め、明恵上人の画像や宮本武蔵の言葉に、人間を溌剌と生かす「観」の現れを見ます。こうして小林先生に言われてみると「観」は「心眼」に近いとも思えますが、優れた画家は肉眼を鍛え、拡大した視力で物を見る、そういう画家によって描かれた海や薔薇は、見る者に視力の改革を迫ってくる……、そうも説いて、美を観る眼によって大きくひらける人生へと読者を誘います。
なお、「私の人生観」は「小林秀雄全作品」では61頁に及んでいます、これにともない、私塾レコダの講座は次の日取りで進めます。
4月09日、「小林秀雄全作品」第17集p.136~p.145 l.14
5月14日、同 p.145 l.15~p.155 l.05
6月11日、同 p.155 l.06~p. 165 l.14
7月09日、同 p.165 l.15~p.174 l.16
8 月13日、 (休会)
9月10日、同 p.174 l.17~p.193 l.17
10月08日、同 p.189 l.12~p.196 l.16(止)
(注)l. は「小林秀雄全作品」各ページの「行」を示しています。
*おことわり
講座「小林秀雄と人生を読む夕べ」では第二部として「小林秀雄 生き方の徴」と名づけたコーナーを設け、小林先生の作品全体を見渡して「批評」「無私」「思想」など私たちにも身近な言葉を小林先生はどういうふうに用いられているかを学び味わっていますが、
上記のとおり本年5月~10月は第一部の「私の人生観」に全時間を充てることになりますので、その間、「小林秀雄 生き方の徴」はお休みとなることをお含みおき下さるようお願いします。
●5月7日(木)19:00~21:00
小林秀雄「本居宣長」を読む
「本居宣長補記Ⅰ」その三
小林先生の「本居宣長」には二部構成の「補記」があり、昭和52年10月の『本居宣長』刊行から4年6カ月後、昭和57年4月に刊行されて今では「小林秀雄全作品」(新潮社刊)の第28集にも入っていますが、私たちの「私塾レコダ」では「本居宣長」の全五十章に続いて先々月から「本居宣長補記Ⅰ」「同Ⅱ」を読み始め、前回の4月2日には「補記Ⅰ」の第二節、「小林秀雄全作品」で言えば第28集の266頁から283頁までを読み、今回はこれに続く第三節、「小林秀雄全作品」第28集の283頁から300頁までを読みます。主たるテーマは宣長の「真暦考」で、中国にならって暦法が行われだした推古天皇の時代以前の日本の古代人の心にも暦の観念はおのずから備わっていたはずだという宣長独自の霊妙な仮説です。
●5月28日(木)19:00~21:00
新潮日本古典集成で読む「萬葉」秀歌百首
今月の「秀歌」は次の二首です。
百伝ふ 磐余の池に 鳴く鴨を
今日のみ見てや 雲隠りなむ
大津皇子[416]34
八雲さす 出雲の子らが 黒髪は
吉野の川の 沖になづさふ
柿本人麻呂[430]35
・末尾の[ ]内は新潮日本古典集成『萬葉集』の歌頭に打たれている
『国歌大観』の歌番号、その次の数字は今回の秀歌百首の通し番号です。

