[新潮日本古典集成で読む 「萬葉」秀歌百首]

 新潮日本古典集成で読む 「萬葉」秀歌百首

 この「『萬葉』秀歌百首」講座だけは小林先生の作品を直接読むのではなく、「萬葉集」研究の第一人者、筑波大学元教授の伊藤博先生が撰んで遺された「『萬葉』秀歌百首」を「新潮日本古典集成『萬葉集』」の註釈に照らして読んでいきます。講師池田雅延はその「新潮萬葉」の担当編集者として十五年間、伊藤先生をはじめとする註釈者五人の先生方を補佐しました。
 小林先生は、「蘇我馬子の墓」(「小林秀雄全作品」第17集所収)の最後で、こう言われています。――大和三山が美しい。「万葉」の歌人等は、あの山の線や色合いや質量に従って、自分達の感覚や思想を調整したであろう。取り止めもない空想の危険を、僅かに抽象的論理によって支えている私達現代人にとって、それは大きな教訓に思われる。……
 令和7年1月の講座ご案内

●1月23日(木)19:00~21:00
   新潮日本古典集成で読む「萬葉」秀歌百首


   今月の「秀歌」は次の二首です。
    にき田津たつに 船乗ふなのりせむと 月待てば 
     しおもかなひぬ 今は漕ぎでな
              額田王[8]2


    海神わたつみの 豊旗とよはたくもに 入日さし
     今夜こよひ月夜つくよ さやけくありこそ
              中大兄皇子[15]3



  ・末尾の[ ]内は新潮日本古典集成『萬葉集』の歌頭に打たれている   
   『国歌大観』の歌番号、その次の数字は今回の秀歌百首の通し番号です。
 
[「萬葉」秀歌百首]既読歌一覧へ